書籍紹介

こどものこころの環境―現代のクライン派家族論

こどものこころの環境―現代のクライン派家族論

ドナルド・メルツァー (著), マーサ・ハリス (著), 山上 千鶴子 (その他), 木部 則雄 (翻訳), 池上 和子 (翻訳)

クライン派精神分析を総括する「こころの六つの次元」(第1章)から、コミュニティ・家族に内属する個人モデル(第2章)、コミュニティ・家族という組織体の基底的想定レベル(第3・4章)、家族の組織体(第5章)、個人のパーソナリティ組織体(第6章)、さらに一九六八年のタヴィストック・クリニック(Tavistock Clinic)におけるスクールカウンセラー課程として結実した独創的なカウンセリングモデルを紹介した「補遺」へと論を進め、クラインの「結合両親像」とビオンの「基底的想定」を援用しながら新しいコミュニティ・家族を構想する。メラニー・クラインとアンナ・フロイトの論争以来、クライン派精神分析の盲点でありつづけた家族とコミュニティの機能に焦点を当てる、現代クライン派精神分析モデルによる新しい家族論。